| 「あ・・えっと・・・ホントにゴメン・・・」 生の快感に堪え切れず、火神は達する際に氷室の中からペニスを抜くことができなかった。氷室は浴室の床に座り込み、蔑むような目で火神を見上げている。達してもなお形付いている火神のペニスを手で握り、残った精液をぎゅ、と搾り出せば、「うゎ・・っ」という驚きの声が火神の口から洩れる。 「や、だから、ホントにワリィって・・」 「いいよもうどうでも。先に出てろよ」 「え、でも・・」 「オレまだケツしか洗ってないんだぞ?そのケツもお前に中に出されて面倒くさいことになったし」 「も、もう一回、洗ってやろう・・・か?」 「いいから先に出ろっつってんだろ!?」 怒ったときの氷室は若干ガラが悪くなる。眉を顰めて火神の腿にパンチを食らわす氷室の機嫌はすこぶる悪く見えたが、誰にも聞こえないんだから声出せよ、と言った途端これまでにないような嬌声を上げ始め、何度も「タイガ」と名を呼んで煽ったのはそっちじゃないのか?と訴えたところで、それが容認されることはまずないだろう。”中出しはダメ”という氷室との約束を守れなかった自分が全面的に悪い。 「怒ってる・・よな?」 ご機嫌を窺うような恐る恐るの問いかけに、氷室はいかにも不機嫌そうに口を尖らせて、けれど「べつに怒ってないよ」と言った。 「だってオレも・・・」 気持ち良かったし、という声は消え入りそうなほどに小さかったけれど、確かに火神の耳に届いた。 嬉しくて、心が跳ねる。火神はしゃがみ込み、照れて視線を合わせない氷室の唇に、ちゅ、と軽いキスをする。 「なぁ、やっぱりオレが洗っ―――」 「それはいい」 言葉は途中でぴしゃりと遮られた。 「さっさと出て弁当でも食ってろエロタイガ」 「・・・・・」 エロいのは寧ろアンタだろ、という言葉はとりあえず胸に仕舞った。 氷室の頭をぽんと叩き、「じゃあそうするわ」と言ってふと笑って、火神は浴室を後にした。
あんなに声を上げたのは、初めてだった。 体中が熱いままだ。火神の指先。自身を扱いたこの手。挿入された太くて硬い生肌の感触。 どれを思い出しても一瞬にして体が疼き、反応してしまう。
「どうしよう・・・」
何の制約も受けないセックスは気持ちが良すぎて。
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